ボタン1発でなんでも立体化!? 最新の「3Dテレビ」を触ってきました日々是遊戯

ずいぶん前から話題にはのぼっているものの、現時点ではまだ対応コンテンツも少なく、なかなか普及の兆しが見えない「3Dテレビ」。そんな中、ボタン1発でどんなコンテンツでも立体化してくれるという、夢のような製品があるという。

» 2009年01月06日 19時30分 公開
[池谷勇人,ITmedia]

立体感はバツグン、正確さもなかなか

今回触らせていただいたモニタ。左が46インチ(1920×1080)モデル、右が32インチ(1280×720)モデル

 一時は「ゲームに不向き」などと言われたこともあったものの、最近では高速応答・高速表示などをうたったゲーマー向けモデルなども発売され、かなり“ゲーム向き”なイメージも定着してきた液晶ディスプレイ。そんな中、ちょっとユニークな機能を備えた製品があるということで、先日メーカーにお邪魔して触らせてもらってきた。

 今回訪れたのは、3D液晶テレビの販売、2Dコンテンツの3D映像化などを手がけるアスナ。実は昨年「DIGITAL CONTENT EXPO 2008」を取材した際、ここの方とお知り合いになっていたのだった。


リモコンの「バーチャル」ボタンを押すことで、どんな映像でも擬似的な3D映像に変換してくれる

 ここの液晶テレビの特徴は、専用の偏光メガネをかけることで、BS11などで放送中の3D対応コンテンツが楽しめるほか、また3D非対応のコンテンツでも、リモコンの「バーチャル」ボタンを押すことで、リアルタイムで映像を解析・変換し、擬似的に3Dコンテンツ化してくれるという点。従来の3Dモニタは、ごく一部の対応コンテンツでなければ楽しめなかったが、これなら買ったその日から、すべてのコンテンツが3Dで見られるようになるというわけだ。もちろん、画面に映し出せるものであれば、それこそゲームの映像などでも、その場ですぐに3D化できるという。

 となるとあとは気になるのが、どれくらいキチンと「3D化」してくれるのか――という点だが、実際にいくつかのソフトで試してみたところ、不思議とどのタイトルでも違和感のない立体映像を楽しむことができた。詳しい仕組みについては企業秘密とのことだったが、映像の明暗や動きなどを随時分析し、映像の奥行きを割り出しているのだとか。フォトショップなどで、静止画から奥行きなどの立体情報を割り出してくれる機能があるが、それの応用版のようなものと考えてもいいかもしれない。

 特にレースゲームやFPSなど「主観視点」で遊ぶタイトルには強く、これらのタイトルではかなり自然な立体映像が楽しめた。たぶん細かなオブジェクトまでチェックしていけば多少はいいかげんな部分もあるのだろうが、実際のゲーム中では、ほとんどのモノはすぐに画面から消えていってしまうためほとんど気にならない。また横スクロールタイプのゲームでも、「リトルビッグプラネット」のようにちゃんと3Dで描画されているものであれば、きちんと立体的に見えるのには驚いた。

 一方で、正確な3D化にはある程度の解像度が必要なようで、初代プレイステーションのタイトルなど、解像度の低いものはややニガテな模様。またムービーシーンなどでカメラワークが頻繁に切り替わるようなゲームだと、一部で「あれ、ココちょっと違うんじゃね?」と不自然に感じたりもした。さすがの“疑似3D”化にも、やはり限界はあるということだろう。また当然ながら、最初から2Dのゲームも×。この場合、画面全体が1枚のパネルのように認識されてしまうようだ。

 とは言え、ゲームの映像は基本的に視点がずっと固定されていることが多く、また最近は解像度や映像のリアリティも、相性さえよければテレビの映像などよりも正確な立体化が可能なのだとか。ざっと触ってみたところ、特に応答速度などに不満もなく、ある意味ではゲーマー向けの液晶モニタと言えるかもしれない。

 気になる価格は、昨年12月に新しく発売された32インチモデルが約30万円、従来からあった46インチモデルが約50万円とのこと。どちらも一般の液晶テレビに比べるとワンランク上の価格帯となっているが、ポイントはやはり「3D化」の部分にどれだけの価値を見いだせるかだろう。実際の商品が見たい――という人は、都内のビックカメラなどで展示・販売が行われているとのことなので、興味があれば見に行ってみてはいかがだろうか。

よく見ると奇数ラインと偶数ラインにそれぞれ左目用、右目用の映像が表示されているのが分かりますか?
「バーチャル」モードをオンにしたところ。裸眼だと、両目用の映像が重なって見えてしまうが……
偏光メガネを通して見ることで、非常にはっきりとした立体映像として楽しむことができる

すばらしい立体感が得られた「グランツーリスモ5プロローグ」。主観視点のタイトルにはやはり強い
ちょっとイジワルのつもりで持って行った「リトルビッグプラネット」だったが、意外にイケました
メニュー画面など、もともと3Dでないものをムリヤリ3Dにさせてみても面白い

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2405/18/news004.jpg 「現場を知らなすぎ」 政府広報が投稿「令和の給食」写真に批判続出…… 識者が指摘した“学校給食の問題点”
  2. /nl/articles/2405/18/news066.jpg 「なぜ今になって……」 TikTokで“15年前”の曲が大流行 すでに解散の人気バンド…… ファン驚き 「戸惑いが隠せない」
  3. /nl/articles/2405/18/news055.jpg ガチ“別人級”……凄腕メイク術駆使したビフォアフが「日本の頂点」と話題、“フォロワー数580万人”の美容系インフルエンサー
  4. /nl/articles/2405/18/news003.jpg 0歳娘がはじめて歩けた瞬間、パパの顔を見て…… 号泣必至の“表情としぐさ”に「やったねえ!すごいねえ!」「かわいくて涙が」
  5. /nl/articles/2405/15/news106.jpg 「二度と酒飲まん」 酔った勢いで通販で購入 → 後日届いた“予想外”の商品に「これ売ってるんだwww」
  6. /nl/articles/1611/04/news117.jpg 「ヒルナンデス!」で道を教えてくれた男性が「丁(てい)字路」と発言 出演者が笑う一幕にネットで批判続出
  7. /nl/articles/2405/18/news023.jpg 死んだはずのスズメバチ、お尻をよく見てみると…… 「亡者の執念発動してますね」「だから怖いんだよな」油断できない生命力におののく声
  8. /nl/articles/2405/17/news026.jpg トリミングでシーズーを「ハムスターにしてください」とお願いしたら…… インパクト大の完成形に「可愛いーーー」「なんて愛おしい鼻毛カール」
  9. /nl/articles/2405/17/news022.jpg 妻が作ったキャラ弁にフランス人夫と3歳娘が大爆笑! 「怖い」と言われた完成形に「蓋開けた瞬間w」「一緒に笑っちゃいました」
  10. /nl/articles/2405/18/news068.jpg 『HUNTER×HUNTER』の冨樫義博がXで怒り 立て続く“誤配”で「三度目です」「次はもう知らん」
先週の総合アクセスTOP10
先月の総合アクセスTOP10
  1. 庭に植えて大後悔した“悪魔の木”を自称ポンコツ主婦が伐採したら…… 恐怖のラストに「ゾッとした」「驚愕すぎて笑っちゃいましたw」
  2. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  3. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  4. 「歩行も困難…言動もままならず」黒沢年雄、妻・街田リーヌの病状明かす 介護施設入所も「急激に壊れていく…」
  5. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  8. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  9. 築152年の古民家にある、ジャングル化した水路を掃除したら…… 現れた驚きの光景に「腰が抜けました」「ビックリ!」「先代の方々が」
  10. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評